耐震とはどんな備えなのか?関井さんはどう考える?

◉この記事はこんな人におすすめ

・自宅の耐震を強化したい
・耐震の種類や方法を具体的に知りたい
・大きな地震が来るのが怖い

日本は世界の国々の中でも類を見ないほど地震が多い国です。

過去には幾度なく大きな被害をもたらす地震が発生していますし、今後もそのような、あるいはそれ以上の被害をもたらす恐れがあるとされている地震の発生が確実視されています。

一方でその被害と言うのは事前に対策を取ることで確実に減らすことができます。

こうした考えは減災とも呼ばれておりすべての災害に該当する考え方なのですが、特に地震においては建物への備え、減災のためのそれが非常に重要です。

地震による被害、特に人命に対するそれの原因と言うのは、地震が直接的な原因ではなくそれによって発生する建物の倒壊によるところが圧倒的に多いです。

つまり地震が発生したとしても建物が無事であれば、人命に対する被害はかなりの割合で減らすことができると言うことです。

特に1日の中でも長い時間を過ごす自宅やオフィス、学校、多くの人が一堂に集う商業施設などは、特にこうした対策の必要性が高いと関井圭一氏も強調します。

<参考>関井圭一

https://www.nanotechnologysurveys.org/go-fukushima.html

建物への地震への備えに必要な3つの項目

建物への地震への備えには、主には3つの種類があります。

それが耐震、制震、免震です。

備えとひと口に言ってもそれぞれに特徴が異なります。

・耐震

それを耐震との比較で見ていくと、まず耐震と言うのは文字通り、建物が地震の揺れに耐えることを目的とした備えです。

具体的には建物内の柱を多くしたり、壁を増やしたりすることで地震が起きて建物が揺れても倒壊しにくい建物にすることを意味しています。

耐震の専門家に依頼すれば施工してくれます。

建物に対する地震の備えの中でも腫瘤とされている工法であり、比較的、値段がお手頃と言うのが特徴です。

また建物の新築時には勿論のこと、既存の建物にも採用することができる備えであると言うのも魅力的です。

ただし地震の揺れは直接、建物に伝わるためその揺れの大きさ、エネルギー自体をどうにかすると言うことはできません。

そのため地震の揺れによるダメージは確実に建物に蓄積されていくため、連続した地震や巨大地震の際には耐え切れず、建物に損失が発生してしまうリスクもあると考えられています。

・制震

次に制震です。

制震は耐震とは異なり、揺れのエネルギーを制することを目的としています。

これは建物内に特殊な装置を設置することで、それが揺れのエネルギーを吸収すると言うメカニズムです。

一端、地震の揺れは建物に伝わるため揺れ自体の大きさをどうにかすることはできません。

しかしその後、そのエネルギーは抑制されるため揺れによる建物へのダメージを小さくすることにはとても効果的だとされている備えです。

繰り返しの地震にも強く、地震だけでなく強い風などにより建物が揺れると言う時にも役立ちます。

費用も比較的、安く、メンテナンスも不要なので取り入れやすい対策ですが、一方で採用される特殊装置の数などによって効果にばらつきがあると言うのは留意しておきたい点です。

最近ではこの特殊装置の種類にも幅が出てきているので、それらの性能を抑えた上で導入したい備えだと言えます。

・免震

そして最後は免震です。

これまでの備えが建物自体に導入すると言う備えであったのに対し、免震は建物と地面の間に特殊装置を設置すると言う特性を持っています。

この装置が設置されることで、建物と地面は隔離された状態となります。

よって地震の揺れから建物が免れることができると言うのが、免震の最大の特徴です。

この特殊装置が地震の揺れを吸収、それを緩やかな横揺れのエネルギーへと変換するため、また建物と地面が離れているため、建物に伝わる地震の揺れは極めて小さくなります。

そのため建物の倒壊を防ぐことだけでなく、建物内で発生し得る損害、家具が倒れてきたり、物が移動したりすることによって生じると考えられるそれに対しても高い効果が期待できます。

その程度は、耐震や制震の3分の1程度にまで地震の揺れを抑えることができると言うデータもあるくらいですから、いかに免震が地震の揺れに対して効果的な備えであるかが理解できます。

ただし免震にも注意点はあります。

  • 工事費が高くつきやすい
  • 工期が長くなりやすい
  • 既存の建物への導入は難しい

と言う点です。

これらはいずれも建物と地面の間に装置を設置すると言う免震ならではの注意点だと言えます。

そしてもうひとつは、地震の揺れの種類によってはむしろ建物内の揺れが大きくなってしまう可能性も指摘されていると言う点です。

地震の揺れにはふたつの種類があり、短時間で激しく揺れる短周期のものと、比較的、長い秒数、ゆったりと横に揺れが続く長周期がそれです。

まとめ

免震は先にも述べたとおり、地震の激しい揺れを緩やかな横揺れのエネルギーに変換すると言う特質を持っています。

そのため長周期の揺れの場合には、ますます横揺れが強くなってしまうと言うのが注意点です。

こうなると建物自体は無事でも建物内部が大きな横揺れにさらされることもあるため、家具などを固定してしなかった場合には、それらが滑るようにして移動し被害が出てきてしまう恐れも考えられます。

よってこうした側面をカバーするためには建物内の家具などを固定しておくことが必須であり、このことは免震だけでなく耐震や精神にも共通していることです。

最終更新日 2025年6月27日