地球温暖化が世界レベルで議論される中で、再生エネルギーに関する取り組みの強化が高まっています。
太陽光発電や地熱発電、風力発電や水力発電などといった自然エネルギーを活用した発電(発熱)システムで、CO2の排出がゼロというクリーンエネルギーの代表です。
一方で石炭や石油といった化石燃料を用いた発電は、安定供給という点やエネルギー量という点で見劣りがします。
原子力発電については安定供給とエネルギー量という点では申し分ないのですが、いわゆる「核のゴミ」の処分という点で非常に危険です。
このため世界各国で規制が強化されていたり、処分施設を国内に制限するなど厳しい基準が設けられています。
太陽光発電も水力発電も一定程度の環境へ負荷をかける
実際に福島第一原発事故は日本だけでなく世界中で批判が集まり、事業体である東京電力には非常に大きな負債を抱える状況になってしまうリスクの高い手段と言えるでしょう。
一方の自然エネルギーのすべてがエコでクリーンかというと、必ずしもそうでは無いということを理解しておくことが重要です。
太陽光発電も、水力発電も一定程度の環境へ負荷をかけます。
具体的には太陽光発電だと、ソーラーパネルを設置するのに土地を利用します。
発電効率を高めるためには、さら地であることが重要ですが表土がむき出しの状態で設置しているため豪雨による水害にもろかったり土砂が流出したりするという懸念点が指摘されているのです。
実際に2018年に発生した西日本豪雨災害では、太陽光発電所が崩落により甚大な被害を受けました。
水力発電においても、発電のためのダム建設によって山々の形を大きく変えるため野生動物への影響や豪雨による影響も指摘されています。
加えてエネルギーを十分に賄えないという点も、私たちの生活に直結していきます。
通常、電力価格は需要と供給のバランスによって決められています。
全て再生可能エネルギーに代替した場合、電力核は非常に高額になるためすぐに変更することは難しいのです。
これ以外にも例えば太陽光は日中は発電できる一方で、夜間の発電は難しくドイツなどではその対応として蓄電池を住宅や施設へ設置するなどエネルギーの対策方法自体を変えるようにしています。
とはいえ家庭や企業に十分な電力を賄うためにはこれだけでは足りず、様々な対応方法を模索しているのが実情なのです。
洋上風力発電をはじめとした「風のエネルギー」を利用した発電
そんな中注目を集めているエネルギーが、洋上風力発電をはじめとした「風のエネルギー」を利用した発電です。
太陽光発電と異なり昼夜問わず発電できるメリットや定期的に風が吹いている場所であれば継続してエネルギーが取得できることから、現在の再生可能エネルギー全体の半分をこの風力エネルギーが占めています。
特に洋上風力発電が注目されていて、その理由としては陸上に比べて安定的に風が吹いている場所が多くあるため、安定的な電力供給が可能という点です。
周りが海ということもあり騒音や万が一の際の人的リスクも少なく、設置場所が確保しやすいという利点があります。
風車の高さや羽の大きさにもよりますが、直接タービンを回すため比較的電気エネルギーの変換効率が高いことも期待されている理由だと星野敦社長も言及しています。
参考:Influx 星野敦
ヨーロッパでは風力発電による共有が毎年10%ずつ拡大
世界各国で建設が盛んにおこなわれていますが特にこのエネルギーへの代替がさかんなのが、イギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国です。
現在ヨーロッパでは風力発電による共有が毎年10%ずつ拡大していて、堅調に増加しています。
特にイギリスでは洋上風力発電における投資や建設がさかんで、四方を海岸線に囲まれていることから経済水域も広いという地理的なメリットを最大限に生かしているからです。
加えて遠浅の海が広がる環境は、建設するにあたっての利便性も高いてんも世界をけん引することに役立ちました。
一方の日本も、海岸線が非常に多く大きなポテンシャルを秘めていると言えそうです。
実際に2000年以降導入件数が増え続けていて、2017年度の風力発電設備の導入量は設備容量約350万kW、設置基数2,253基となっています(出典:NEDO『日本における風力発電導入量の推移』より)。
しかしながら日本全体のエネルギー量からみると微々たる状況で、今後拡大の余地が期待されているとも言えます。
特に洋上風力発電は検討が盛んにおこなわれている一方で漁業や海運などにも配慮する必要があるため、ルール作りが行われています。
2019年には「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」が施工され、今後事業化に向けて様々な企業が取り組みを始めている状況です。
このように世界各国で盛んにおこなわれている再生可能エネルギーの取り組みは、日本にも波及してきました。
まとめ
風力以外にも日本は火山列島というつよみを生かした地熱発電も検討が進んでいて、エネルギーミックスの環境が少しずつ進んでいます。
CO2ゼロをめざした持続可能な成長が可能かどうかは、今の取り組みにかかっていると言っても過言ではありません。
最終更新日 2025年6月27日