↗️ユニセフとは?
誰もが一度はユニセフという言葉を聞いたことがあると思います。
ユニセフとは「国連児童基金」のことを指し、世界中の子供の生命と健康を守るために活動する国連機関を意味します。
世界には紛争中の地域が多数存在し、一部の先進国を除いて大部分と言っていい人々が貧困にあえいでいる状況。
劣悪な環境の中で最も被害を被っているのは無力な子供であり、大人の欲望のために未来を奪われる子供は後を絶ちません。
そんな子供たちを救うために国連児童基金という機関が生まれました。
先進国に生まれても後進国に生まれても、持っている可能性を十分伸ばせるよう支援するのがその使命であり、つねに「子供最優先」が中心思想です。
本部はニューヨークにあり、全体の基本方針や開発戦略、援助事業の方針決定や現地事務所との連絡調整などが主な業務となります。
他に地方事務所や研究所などが世界に点在しており、それぞれが活発に機能しています。
1.子供の保健に関する支援事業
では、次にユニセフの活動分野を見ていきましょう。
最初にあげられるのが子供の保健に関する支援事業。
日本ではほとんどありませんが、世界ではまだまだ感染症などによる乳幼児の死亡が多く見られています。
その現状を改善するためには、予防接種の実施や衛生的な環境の確保などが必要不可欠。
すべての子供が乳幼児期に良いケアを受けられることを目指して、ワクチン接種の推進など様々な事業が進行しているのです。
栄養の不良も子供の発育にとっては由々しき問題でしょう。
十分な栄養が得られないことによって、発育の阻害や消耗症、低体重など多くのリスクが確認されています。
成長期の子供には、なによりバランスのとれた食事を定期的に継続して与えることが大切。
そのために国連児童基金では募金を募り、現地に赴いて支援を続けています。
2.虐待や紛争地帯の緊急支援
ここまでは主に子供の健康に関する事業を説明しましたが、今現在最も子供を苦しめる要因として、「虐待」がクローズアップされています。
児童虐待にはいろいろありますが、児童労働・児童買春・暴力など、子供を囲む環境はますます熾烈なものになってきました。
それぞれの置かれた環境や家族との関連から、子供だけを救い出すことは至難の業かもしれません。
しかし一つ一つの事例をあきらめず、できることから手を付けて少しずつ保護の輪を広げていくことが、国連児童基金に求められる使命ともいえるでしょう。
その他の事業としては、平等な教育機会の提供や紛争地帯の緊急支援などが重要なものとして挙げられています。
↗️日本ユニセフ協会について
では次に、日本と国連児童基金の関係について簡単に見ていきましょう。
日本には「日本ユニセフ協会」が設置されており、活動を行っています。
※参考→https://www.unicef.org/tokyo/jp/15321_15883.html
これは、先進国を中心に34か国に設置されている協会の一つで、本部との協定に基づいて、募金活動・広報活動・アドボカシー活動(政策提言)を実施する団体です。
日本は現在世界有数の平和国家です。
ここに住む私たちは日常的な危険とはほとんど縁がありません。
協会の重要な役割の一つは、まず世界の子供たちが置かれている過酷な状況を少しでも日本国民に知ってもらうこと。
次にできる範囲から、募金などの活動に参加してもらうことです。
知識だけでは何にも出来ませんが、無知であることはそれ以上の弊害をもたらします。
まず現状を知らせ、そこから対策を考える。
協会の地道な活動は日本人ボランティアの現地派遣など、形になって実を結んでいます。
↗️親善大使である黒柳徹子さんとユニセフ
さて、ユニセフと言えばこの方を思い出すという意見も多いのではないでしょうか。
そう、トットちゃんこと「黒柳徹子」さん。
黒柳さんはよく海外に行かれ子どもたちと交流する姿が映されていました。
彼女は国連児童基金の親善大使という肩書で、世界中の子供たちのために長く活動しています。
親善大使は世界中に存在し、子供の直面する問題を解決するために原則無報酬で動いてる人たち。
国際大使としては黒柳さんをはじめ、サッカーのデイビッド・ベッカム氏、テニスのノバク・ジョコビッチ氏などそうそうたる顔ぶれがそろっています。
日本国内や、アジアなど地域を限定した大使も存在しており、サッカーの長谷部選手やアグネスチャン氏なども名を連ねています。
子どもたちの未来を憂い、自分は成功した多くの有名人が、現状を知ってもらうための広報活動に従事する理由はなんでしょう。
そこには現在の幸せを感謝し、他者と分け合おうとする共通の思想が反映されているのかもしれません。
国連児童基金そのものが、そういった他者への愛情を基にして生まれたものと言えるのではないでしょうか。
ここまで簡単にユニセフという言葉についてお話してきました。
現在まで世界に多大な貢献をしてきた基金ですが、その役割はまさにこれから重要度を増していくことでしょう。
各国がナショナリズムを強める中、紛争などで苦しむ子供が増えていくことが予想されます。
現状を知り、救済の手立てを考えるためにも国連児童基金の活動がより活発になることを願っています。
最終更新日 2025年6月27日