俳優にとって必要なスキル

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引用:芸能人になるためのオーディションサイト narrow(ナロー)

俳優といっても、多くの種類があることをあまり知っている人はいません。例えば、映画、ドラマ、時代劇、舞台など、多くの演技をする場所はあるものの、そのすべてを完璧にこなすという人はおらず、何かしらに特化して活躍するケースがほとんどです。
なぜなら、映画やドラマを比較しただけでも求められる資質が全く違うためです。

映画では1つのシーンを長回しと呼ばれる技法で撮影します。つまり、一連のシーンを1回で撮影することとなり、それだけ求められるレベルも高くなります。一方、ドラマの場合、こうした長回しはあまり行われず、細かく区切って撮影が行われます。すると、あまりボロが出ず、演技のレベルがあまりなかったとしても何とかなります。ただ、最近のドラマも映画並みになってきており、映画と同じように長回しで撮影されることも増えてきました。

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一方、小劇場などで演技をする場合、もしくはミュージカルを行う場合でもその違いは明らかです。
映画やドラマならばボソボソ喋っていたとしてもマイクが拾ってくれますが、小劇場などで舞台を行う場合、客席の後ろ側まで声が届かなければ全くもって意味がありません。演技以前に声量が求められ、ミュージカルを行う場合でもそれは同様です。

これに加えてミュージカルは演技をこなしつつ、歌も歌わなければならず、その技術も求められます。これらの演技をする役者はすべて俳優というくくりになることから、職業を俳優にしたいという人は、どの分野でまずは活躍するのかということを鮮明にしておく必要があります。

俳優になる場合、いくつかのルートが存在します。
まずは演劇サークルや小劇団などで研鑽を積むパターンです。
俳優にとって大事なのは声量など基礎的なものだけでなく、場数であると言われています。この場数はたくさんの舞台に立つことでハプニングやアドリブにも対応するだけでなく、芸の幅を広げることにもつながります。

芸の幅を広げるのは場数だけでなく、人生経験などもあります。小劇団や演劇サークルを通じて演技をしてきた人のほとんどは苦労を重ね、演技一本では難しく、多くのアルバイトを掛け持ちしたり、女性に食べさせたり、借金したりしてやってきています。その過程で演技にも磨きがかかり、味のある演技ができるようになります。

次に養成学校に通うという方法です。

どうすれば演技ができるのかというノウハウが詰まっているだけでなく、ドラマのオーディションの話が舞い込むこともあり、若くして大役をゲットするチャンスも出てきます。

また、エキストラとしてドラマや映画に参加し、場数を重ねていくということもできます。そして、事務所に所属することになった場合も提携しているところにいくことができるため、継続した関係性を築いていくことも十分に可能です。

最近ではモデルとして活躍した人が俳優にチャレンジし、結果として大活躍するケースも増えています。役者志望ではあるものの、最初はモデルとしての活躍を積み重ね、その後に役者になるという場合です。

ただ演技をするというのであれば、こうした事務所や養成学校に行かなくても市民劇団などに所属し、演技をしていくことはできます。ただし、それでは自分の演技は磨かれることはありません。いわばダイヤの原石であり、ダイヤの原石同士が切磋琢磨することでお互いが磨かれていくことになります。自分だけで演技をするというのは、自分自身でいかにダイヤの原石を磨いていくかにもつながり、かなりの難しさを伴います。

声量やルックス、場数なども大切なスキルですが、それ以上に大事なスキルは人間力、人間関係など、その人の人間性の高さです。素直で、演技に一直線の人ほどダイヤの原石同士で磨きあうことへの抵抗がありません。抵抗がない分、すぐに磨かれ、早いうちに活躍することになります。多くの人は自分がすごいと思うため、なかなか磨かれることへの抵抗があり、そう簡単に売れるということはありません。

舞台で活躍する人は厳しい演技指導や演技論などを重ねていくことで自然と磨かれていきます。

テレビなどを見て、自分も役者にあこがれるという場合、まず大事なことはなぜ演じたいのかを明確にすることです。明確にすることで、自分には何が足りないのかが明らかになり、それに向けての努力をしていくことができるようになります。

そして、自分がうまいと思わず、自分なんかよりうまい役者はたくさんいると思い、他の役者の演技を見ることをしていけば自然と磨かれていき、宝石としての輝きを見せることができます。ダイヤモンドはカットの方法でその輝き、価値が大きく変わるように、出会いを大事にし、自分のことを思って色々と直言、苦言を言ってくれる人を尊重することも大事です。

これらすべて人間性のよさなしには成立しません。華やかな仕事だけでなく、泥臭い仕事、主役を引き立てる仕事など色々とありますが、誰が欠けても成立しない仕事でもあります。